布団から少し離れたところに置いてある目覚ましが鳴った。
それを止めに行って、目覚ましをスヌーズにして布団に持ちこみ、またしばらく眠るのがいつもの日課。
　だけど、今朝は違った。

　目覚ましを止めて、布団に戻ろうとターンしてそのままよろけて横に転倒。立てかけていた折りたたみテーブルの角に勢いよくアゴを打ちつけた。アゴが割れてケツアゴになるかと思ったほどの痛恨の一撃。　
　氷をビニル袋に入れてアゴを冷やして布団に入る。これは、夢だ。夢に違いない。痛いから、きっと夢だ…。
 
　さらに沢山の氷をビニル袋に入れて出勤。目立たぬように黒いビニル袋を使って会社でさりげなくアゴを冷やしていたが、すぐにバレて周囲に笑われた。そこ、笑うとこではないんだが…その時は頭蓋骨自体がズキズキしていたし…。
　このままでは仕事ができないからと氷は差し止めをくらい、冷えピタを貼られる。
冷えピタもすぐにはげ落ちるので、絆創膏で固定する。私って何…。
　他の社員にも「歯が痛いの？」とか聴かれた。で、指摘されて気づいたけど、首を切っていた。アゴの痛みの方が断然強くて首の傷などわからなかった。

しかし、仕事で痛恨のミスをして、アゴの痛みも吹き飛んだのである。
今は心が痛い…これは夢だと言って欲しい。
どうやって帰宅したかも覚えていない、なう。
大泣きしたい気分、なう。