義理両親に誘われて、福岡県粕屋郡の駕与丁公園（かよいちょうこうえん）にバラを見に行ってきた。

しかし、時期が早すぎたために、バラ園のバラは少ししか咲いていないのであった。

公園内には すべり台もあったので小ウキキを遊ばせるにはちょうど良かったけど、小ウキキは公園のスケールの大きさに興奮しすぎて鼻息を荒くして崖を降りようとするわ、柵のない湖に向かってダッシュするわで（たぶん風呂と同じ感覚で池や湖にも入れると思っている）ずっと母子で腕を引っ張り合いして「ダメー！」「ムキーッ！」「ダーメーッ！」と声をあげて過ごした感じ。

湖に入りたいと泣く小ウキキ。
看板には『水深２ｍ』。

そして最後に、小ウキキを引きずるようにしてバラ園を見学した。

『一朶(いちだ)の薔薇(しょうび)、遍界(へんかい)香(かんば)し』

これは森蘭丸に捧げられた香語だ。

『森蘭丸という一枝の薔薇が全世界に香っている。』

なんてステキな言葉だろうか。
森蘭丸二十五年忌の法要の時の香語なので、森蘭丸を直接見知っていた人もまだ生きていた時代のものだ。
実際に彼を知る人から見ても森蘭丸は、薔薇という花に例えられる人物だったのだ。

ああ、でも、今、わが腕には小ウキキがぶら下がり、森蘭丸に思いを馳せつつバラの香りを楽しめる日はまだ遠い。
（※ただし蘭丸が例えられた当時の薔薇は、ハマナスのような品種の薔薇だったと思います。）