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 ようやく、預かっていた英文翻訳のバイト(3冊)のうち、1冊が終了して、深夜にメール添付で提出した。
のこりあと2冊。

外国語翻訳にも、古文書の現代語訳にも共通して難しいと思うことがある。
ロシア語通訳の米原万里さんの著書『不実な美女か貞淑な醜女か』にあるような内容だと思うけど、そのポイントでよく私も苦しむ。

原文に忠実ではないけど、文章を整えた翻訳。
原文に忠実だけど、文章が整っていない翻訳。
どっちがよいのだろうかと。

読みやすいように文章を整えると、原文とはニュアンスが違ったものになってしまう。
逆に原文に忠実にしてしまうと、読みづらくてぎこちない文章にならざるを得ない。

たとえばヤマトタケルの

『 倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく青垣 山隱れる 倭しうるはし』

この原文にただよう色と香りと気品を残したまま、英語にしろと言われても無理だし、現代語訳にすると同じく原文の高貴さを減じさせるものになる。
「倭しうるはし」 が"Yamato is so beautiful" ないし"how beautiful Yamato is"では、
胸がしめつけられて涙さえこぼれてしまうような大和言葉の美しさと切なさが醸し出せない気がするのだ。

逆に、シェークスピアの英語による巧みな言葉のやりとりも、日本語にしてしまうと、まったく面白くなくなってしまう。
あれは、英語のかけ言葉や二重の解釈なんかで物語が進行していくのだ。でも、それを日本語にすると、宝箱に詰め込んだようなシェークスピアのおやじギャグはあっさり消滅。

「くそ食らえ!」 → 「うんこ召しあがれ!」
現代語に限ってすら、言い換えることで言語のニュアンスというものは絶対に変化してしまう。
ああ、言葉を変換するのって、本当に本当に難しい。


だが、今回の翻訳の罠は別のところにあったのである!
どぉおおおんん!Σ(゜□゜;


 今回引き受けた翻訳は、ロシア人の書く英語だったので、文章や文法や言い回しがおかしかったり、つじつまが合わなかったりで、別の意味で翻訳するのが難解だった。
おおお、韓国でムリヤリ日本語の史跡案内看板を見た時に感じた違和感がここに蘇る。
すんなりと読みこなせない。
『しまったああああ!!わからん!!!』
と思ったけど、もう引き受けてしまったことだし、とにかくこの人の言わんとする意味を汲み取って、拾いあげて日本語にしていった。本当に最初の頃は戸惑ってしまい、英文を前にしばらくホケーッとなっていたけど、何度も読みこんでいくうちに、だんだんと言いたいことがわかるようになった。
しかし、それが私の妄想で本当は意味をキャッチしきれないところもあるというのではという不安があったので、先方にもその事情を含めて正直なところを書き添えて提出した。(>_<)

幸い、すごくわかりやすいとのことで、引き続き翻訳をすることになった。

うごーーーーー!!!
これが終わったら、思いっきり古文書を読みたおすぞ!!!!
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